買い占める人の2つの心理。正しい判断をするための対処法とは?

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心理学
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この記事は買い占める人の心理の説明でもありますが、
あなたが今後情報に惑わされないための助けとなると思います。

 

さて、日本では昔から買い占め騒動いくつか起こっています。

1973年のオイルショックでのトイレットペーパーの買占めや、
2011年の東日本大震災では、

  • ミネラルウォーター
  • カップラーメン
  • 乾電池
  • トイレットペーパー、ティッシュ
  • 使い捨てカイロ

などの買い占めが起こりました。

最近ではコロナウイルスの影響で、
マスク、ティッシュ、トイレットペーパーの買い占め騒動が起きています。

 

モノを買い占めない側からすれば、

  • 「自分のことしか考えていない人」
  • 「迷惑な人」

みたいなことを買い占める人たちに対して思うかもしれません。

ただ、心理学の観点から言えば人間のシステムとして、
モノを買い占めることはそこまで意外な行動でもないんです。

 

一体全体、なぜ人はモノを買い占めてしまうのか?
科学的根拠に基づいた解説をしていきます。

 

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買い占める人の心理ってなに?

モノを買い占めるという行動の原因は人間の根本にある心理です。

 

もし、買い占める人の心理を理解できれば、

「あ、なるほど。そういう原理なのか」

と、腑に落ちる部分もあるでしょう。
(それでも許せない人はいるかもしれませんが^^;)

ただ、買い占める人たちの心理を知ることで、
頭ごなしに怒るということはなくなるかもしれません。

 

結論から言うと、モノを買い占める人たちの心理は、

  1. 社会的証明
  2. 希少性

この2つが大きく関わっているということです。

「なんのこっちゃ?」となったかもしれないので、
詳しく解説していきましょう!!

 

買い占める人の心理①【社会的証明】

社会的証明とは心理学用語の一つなんですが、
一体なんのことやらよく分かりませんよね。

カンタンに説明すると、

「人はほかの人たちが何を正しいか考えているかを基準にして物事を判断する」

ということです。

もっと噛み砕いていうなら、

「ある行動を遂行する人が多い程、人はそれが正しい行動だと判断する」

とも言えます。

 

例えば、最近のマスク、トイレットペーパー、ティッシュ、
などなどの買占めはこの”社会的証明”心理が強く作用していると考えられます。

「なんかみんなティッシュ買ってるから、買うのが正しいんだ!」

ということです。

 

で、この社会的証明の原理が強く働く条件の一つは”不確かさ”。

つまり、状況の意味が不明確、曖昧なときこそ、
僕らは多くの人がしている行動を正しいと判断するということです。

最近のコロナウイルスで言えば、様々な予防法の憶測が飛び交い、
実際のところ本当に正しい行動がまだ見えませんよね。

この不確かさが社会的証明の作用を強くし、多くの人が買い占めているから、
それを正しい行為だと判断し、自分も買い占めに参加してしまうのです。

 

また、社会的証明が働く原理としての2つ目は、
”類似性”となります。

カンタンに言うと、

「自分と似ている人の行動を正しいと判断する」

ということです。

僕たちは自分がどう振舞えばいいのか分からないとき、
一番参考になるのは自分と似ている他者の行動であり、それを基準にします。

 

例えば恋愛で言えば、「恋人が欲しい!」となった場合、
自分と似た恋人が欲しい何人かの友達がマッチングアプリをやっていたとしたら、
なんかそれが正しいと思って同じ行動をとりたくなったりしませんか?

これが社会的証明であり、買い占めもこれと同じ現象と言えます。

自分と同じくウイルスなどに不安を抱えた人たちが、
ティッシュなどを買い占める行動をしていたらそれが正しいと思うのです。

 

社会的証明の驚くべき強さ

ここでは社会的証明の驚くべき効力を紹介していきます。

いきなりの話になるのですが、
よく聞く、「東京の人は冷たい」という言葉がありますよね。

実は、これも社会的証明が作用していることなんです。

 

どういうことかというと、
人は周りに傍観者が多いほどピンチの人を助けなくなる傾向があります。

例えば、誰かが駅前で倒れていたとして、
そこで僕たちがまず基準にするのは周りの人です。

周囲の人、他の目撃者がどう反応するかを見ます。

もちろん、僕たちは落ち着いて冷静な人間だと周囲に見られたい生き物なので、
平然とした感じで周りの人をチェックします。

そうなると、目に入るのは落ち着いて冷静な人ばかりです。

その結果、
「あれ、そんな大したことでもないのかな?」
と、その出来事は緊急事態でもないかと判断をしてしまいます。

ゆえに僕たちは、周りに人が多ければ多い程、
困っている人を助けなくなる傾向があると言われています。

これが正に、「東京の人は冷たい」となってしまう原因の一つです。

 

ここで僕たちを作用しているのは先ほども説明した、

  • 不確かさ
  • 類似性

の2つです。

まず、倒れている人の状況の不確か。

「酔っ払いかもしれない」、「ただ寝ているだけかもしれない」
とハッキリとした答えがよく分かりません。

この不確かな状況にこそ、
僕たちは多くの人がしている行動を頼りに判断をします。

周りが何もしてないのであれば、それが正しいと思ってしまうのです。

 

そして類似性。

自分と似た周囲の人たちの行動を正しいと判断します。
周りが冷静で何もしてなければ、自分も助ける必要がないと思ってしまうんです。

 

ちなみに、これを実証する研究をニューヨーク大学で行い、
ある学生がてんかんの発作にあったフリをしました。

そこに居合わせた人が1人の場合は、
援助を受けられる確率は85%。

五人が居合わせたときの確率はわずか31%でした。

これくらい、僕たちは周りの人の様子で行動を決めてしまうのです。

 

こういった原理を考えれば、
昨今の買占め騒動も人の心理に基づいた行動と言えますね。

「多くの人が行っている行為が正しい」

そんな風に思ってしまうのです。

 

社会的証明に操られないための対処法

変な話、社会的証明を利用し、

「多くの人が行っていることを正しいと判断する」

ということは便利です。

なぜなら、大抵の場合は自分の状況が不確かである場合、
多くの人が行っていることがうまく機能するからです。

恋愛で言えば、多くのモテる人が異性に親切にするからこそそれを真似してモテる。
仕事で言えば、多くの成功者がやってきた習慣を真似して成長する。

このように社会的証明は僕たちの大きな助けになるんですが、
同時に弱点ともなるんです。

 

その弱点とは、情報そのものが間違っていた場合となります。

最近のトイレットペーパーの買い占めで言えば、
「原材料が中国から輸入できなくなる」というデマから始まりました。

ですが、正式は情報はトイレットペーパーは98%が国内生産であり、
供給量には全く問題がないとのことだったのです。

 

では、こういった社会的証明で損をしないためにできる対処法はなんでしょう?

対処法としての1つは、
”自動操縦を解除する”ということです。

どういうことかというと、僕たちは”不確かなとき”社会的証明を頼りに、
「多くの人が行っていること」を正しいと判断していますよね。

その状況そのものが自動操縦の状態になっているということです。

自動操縦状態の僕たちは自分の頭で考えることをせず、
周りの人頼りに行動をしてしまいます。

なので、情報に少しでも違和感を感じたり、疑問を抱いたとき、
一度自分の中の自動操縦を解除してみてください。

人は本来かしこい生き物です。

トイレットペーパーを買い占めたくなったのなら、
「今自分は自動操縦になっていないか?」と一旦スイッチを切れば良いんです。

そうすることで、誤った情報、正確な情報を整理することができ、
間違った社会的証明から脱することができます。

 

二つ目の対処法は、
”よく見渡すこと”です。

僕たちは多くの人が行っている行動に対して、

「彼らは自分の知らない何かを知っているに違いない」

と判断してしまいます。

特に、自分に自信が持てないときほど、
みんなの知識を過度に信用してしまうんです。

なのでそういったときこそ、

  • 状況のなかにあるほかの証拠
  • 客観的な事実
  • 自分が以前に経験したこと
  • 自分自身の判断

これらのこと一度確認することです。

こういた用心をするのにそこまで労力は必要はなく、
ちょっと周りを見渡すだけで済みます。

 

ここまでの対処法をまとめると、

  1. 自動操縦を解除する
  2. よくみわたすこと

の2つになります。

是非とも活用してみてください。

 

買い占める人の心理②【希少性】

買い占める人の心理の2つ目は”希少性”です。

 

希少性をざっくり言うなら、

「手に入りにくくなるとそのものがより貴重に思えてくる」

という心理になります。

マスクやティッシュ、トイレットペーパーなど、
品薄になり希少性が出るとどんどん貴重に見えてくるんです。

だからこそ、人は数が少ない品物をたまたまお店で見つけると、
すぐに買ってしまうといった行動をとります。

 

この希少性はセールスやマーケティングの世界でも広く使われ、
よく目にするのが”数量限定”や”期間限定”とかですね。

例えば、デパートなんかで、

  • 「在庫はあと5個」
  • 「今日までセール対象」

みたいな数と時間の限定をされると、
僕たちはそのものを貴重だと感じ、とても欲しくなってしまいます。

 

もちろん、この希少性の原理が働くのはモノだけではありません。

恋愛なんかでも、あなたに好きな異性がいたとして、
そこで友人に、

「お前が好きな○○ちゃん、もうすぐ彼氏できそうなんだって!」

みたいなこと言われたら、その子がより貴重に見えてきませんか?

 

このように、希少性と言う心理は僕たちにとってとてつもない威力があるのです。

なので数が少ない商品、今しか買えないかもしれない商品、
これらに対して希少性を感じ、買い占めが起こるとも考えられます。

 

人が希少性に操られる驚くべき実験

海外のウォーチェルという研究チームが、
参加者にクッキーを味見させるという実験を行いました。

そのとき、参加者の半数には、
ビンに10枚のクッキーいれてそこから一枚を取り出して与えました。

残りの半数には、ビンに2枚のクッキーを入れて、
その中から一枚を与えたのです。

 

すると実験の結果は驚くもので、
ビンにクッキーが2枚しか入っていない場合のほうが高評価を受けました。

これの面白いところは、どちらも同じクッキーだったということです。

つまり、どちらも同じクッキーなのに、
数が少ないほうに高評価をするといった結果が出たんですね。

希少性と言うのは、恐ろしいまでに僕たちに影響を与えます。

現在、品薄のマスク、トイレットペーパー、ティッシュ、
このどれもが僕たちにとってとても貴重になっているのは目に見えた結果なんです。

 

希少性に操られないための対処法

僕たちは希少性を感じてしまうと、
思考力が落ちてしまう傾向があります。

特に、直接希少性の競争に巻き込まれると、
頭に血が上り、視野は狭まり、感情的になってしまうんです。

つまり、落ち着いてどうするべきかを考えるかが難しくなります。

 

対処法の1つとしては、その興奮状態を希少性の合図として認知することです。

 

  • 「なぜかものすごい欲しい」
  • 「是が非でも手に入れたい」

と、冷静でなれなくなったときにこそ、

「今自分は希少性の原理に支配されているかもしれない」

と思うことをすれば、自然に警戒ができるようになります。

 

対処法の二つ目は、
手に入れる目的をハッキリさせることです。

大抵の場合、モノを手に入れることの目的は、
所有することではなく、利用価値があるから欲しくなるものです。

買い占めで言えば、必要以上に所有することで安心感を得るかもしれませんが、
いくら持っていたところで商品そのものの価値は変わりません。

いくらトイレットペーパーやティッシュをたくさん持っていても、
商品そのものの機能は何も変わらないということです。

僕たちは希少性に支配されたとき、
手に入れる目的を忘れてしまいがちです。

モノを買う目的は利用することであり、所有することではありません。

 

というわけで、希少性に操られないための対処法は、

  • 興奮状態を合図にする
  • 手に入れる目的をハッキリさせる

ということでした。

少しでもお役に立てれば幸いです。

 

まとめ

人がモノを買い占める心理として、

  1. 社会的証明
  2. 希少性

この2つが作用しているとの説明をしました。

 

社会的証明で損をしないための対処法として、

  • 「自動操縦を解除する」
  • 「周りをよく見渡すこと」

 

希少性に操られないための対処法は、

  1. 「興奮状態を合図にする」
  2. 「手に入れる目的をハッキリさせる」

ということでしたね。

こういった観点から考えると、買い占め騒動は他人事ではなく、
人間の誰しも持っている感情で動かされているということになります。

 

また、この記事で説明した”社会的証明”と”希少性”、
この2つを理解しておくことで情報に惑わされなくなる助けにもなります。

今回の記事が少しでもあなたの助けになれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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